12月28日 加州議会No.2の提案 Source : Speaker Núñez Unveils Fair Share Health Care Proposal to Cover All Californians (Speaker Núñez)

加州議会No.2とは、加州議会下院議長のSpeaker Fabian Núñezである。

Núñez議長は、21日、皆保険制度導入に関する提案を行った。これは、Perata上院議員の提案と同じ日(「Topics2006年12月26日(2) シュワ知事の最優先課題」参照)であり、しかもかなりの部分が共通している。このことは、加州議会民主党内で、ほぼコンセンサスが成立していることを窺わせる。

Núñez議長の提案で、Perata上院議員提案とは異なるのは、主に次の2点。
  1. 真の皆保険を目指す。特に、子供の無保険者をなくすことに力点を置く。
  2. 当分の間、小規模企業(フルタイム従業員1人以下)については、Pay or Playルールの対象外とする。
シュワ知事の一般教書演説は、1月9日に予定されている(The San Francisco Chronicle)。州議会民主党に対し、どのような回答をするのか、州議会共和党にどのような配慮を示すのか、注目したい。

12月27日 SSNの保護 Source : Pennsylvania Protections for Social Security Numbers (Ballard, Spahr, Andrews & Ingersoll, LLP)

上記sourceは、PA州がSocial Security Number (SSN)の情報漏れ、成りすまし詐欺を防ぐための立法を行ったというレポートである。個人情報保護の観点からすれば、ごく当たり前のことばかりなのだが、違反すると罰金が課されることになっている。

当websiteとして注目したいのは、その適用除外対象となる機関である。上記sourceによれば、明確ではないものの、一定の金融機関、医療保険会社、病院、個人情報調査会社(credit reporting agencies) は、上記法律の適用外となるとの見通しである。

個人を特定するために個人番号が必要となるのは当然であり、ましてIT時代には必須といえる。日本人の感覚からして、お役所と銀行は仕方ない、とまではくるだろうが、保険会社、病院となると、抵抗感がまだ強いかもしれない。しかし、保険会社を健康保険組合(国民健康保険)と置き換えてみれば、それも当然と考えられる。日本の医療においては、公的保険が一般的であることを考えれば、むしろ、そこでの個人番号はやはり当然だし、無駄をなくすためにも重要だろう。

世間的には、納税者番号、年金番号を早く導入しろと言われているが、医療保険番号から入った方が、より国民からの納得を得やすいのかもしれない。

12月26日(1) HSAsの拡充 Source : Congress Passes Improvements for HSAs and FSAs (AON)

HR 6111が両院議会で可決され、22日、大統領が署名して成立した。内容は、税制改正が主であるが、その中で、HSAs(「Topics2004年1月7日(1) 医療貯蓄勘定」参照)に関連する改正も含まれている。上記sourceは、そのエッセンスをまとめたものである。概要は次の通り。
  1. HRA/FSA残高のHSAへの移管
    現時点でHRA、医療FSAにある残高を、2012年1月1日までにHSAに移管することを認める。移管限度額は、2006年9月21日時点の各残高とする。移管後12ヶ月以内にHSAへの拠出が行われず、加入資格を失った場合には、移管額は、所得税+10%の超過課税が課される(以下、「加入資格喪失時の課税」)。

  2. FSAの猶予期間
    FSAと同様、HSAについても、年度終了後2ヶ月半の拠出猶予期間を設ける(「Topics2005年8月12日 FSAの猶予期間」参照)。ただし、その条件は、「前年のFSAの残高がゼロ」か「FSAの残高すべてをHSAに移管した場合」である。

  3. 拠出限度額の引き上げ
    2007年の拠出限度額を、単身加入$2,850、家族加入$5,650とする。

  4. IRAからの移管
    IRAからHSAへの移管を認める。ただし、「加入資格喪失時の課税」あり。

  5. 低報酬従業員への拠出増
    低報酬の従業員への拠出額が、高報酬の従業員への拠出額を上回ることを認める。

  6. 中途加入者
    現行では、中途加入の場合、加入限度額をプロラタで制限していた(1-12月のプラン年度の場合、4月に加入した場合の加入額は、限度額の3/4)。改正後は、中途加入であっても年間限度額全額の拠出を認める。ただし、「加入資格喪失時の課税」あり。
Bush大統領は、今年の一般教書演説で、HSAsの充実を訴えていた(「Topics2006年2月2日(1) Pro-Growth Economic Policies」参照)ので、大歓迎なのだろう。皆保険制度の議論が目前に迫っている中で、HSAsを強化することは、大統領サイドの戦略としても正しいのだろう。

しかし、全体をHSAsに寄せていくことで本当によいのかどうか。よく考えておく必要があるような気がする。

12月26日(2) シュワ知事の最優先課題 
Source : Time for a change on health coverage (by ARNOLD SCHWARZENEGGER, Guest Columnist via LA Daily News)

上記sourceは、シュワ知事LA Daily Newsに寄稿した決意文である。そこで、シュワ知事は、無保険者対策を、2007年の最優先課題と位置づけることを明言している。しかも、無保険者が多数存在することで、保険加入者が隠れた負担をしているということを強調し、全州民にとっての課題であることを説明している。

州にも州の一般教書("the State of the State"。2006年1月版はここ)があり、そこでシュワ知事は、2期目の最優先課題として無保険者対策への取り組み姿勢を明らかにするとの報道が行われている(Wall Street Journal via kaisernetwork.org)。

また、シュワ知事が頼りにしているキーパーソンとして、Senator Don Perataを挙げている。そのPerata上院議員は、21日、無保険者対策に関する提案(オリジナルはここ)を行った。その概要は次の通り。
  1. 加入資格者
    カリフォルニア州の全労働者とその家族。これにより、現在、6.6Mの無保険者のうち、4.2Mが保険に加入することになる。残りの州民は、既存の公的保障制度によりカバーする。

  2. "Connector"の創設
    MRMIB (The Major Risk Medical Insurance Board)の責任により、"Connector"なる基金を創設する。同基金は、企業、個人、無保険者のための保険購入のための基金とする。また、保険料等についても、交渉する。また、加入者は、保険プランを選択することができる。

  3. "Pay or Play"
    全ての企業は、従業員の医療保険のために、賃金(Social Securityと同じベース)の一定割合を負担する。従業員に医療保険プランを提供しないことを選択した企業は、同額を基金に拠出する。また、従業員も、一定割合を負担することとし、企業を通じた源泉徴収の対象とする。

  4. 公的保証の拡大
    公的保証の対象となる要件を、FPLの300%に揃える。そのために、連邦政府からの拠出増額を求める。

  5. 州民の加入義務付け
    カリフォルニア州の全労働者とその家族は、最低限の医療保険プランに加入しなければならない。最低限のレベルについては、MRMIBが規定する。納税申告書提出時に、加入証明を提出しなければならない。証明がない場合、州税における税額控除を認めないこととする。
Perata上院議員は、加州上院のmajority leaderであり、圧倒的な影響力を有する。そのPerata上院議員とシュワ知事の二人三脚が、無保険者対策で成功するかどうか、興味深いところである。