新財源
CalPrimeの運営、Medicaid、SCHIPの新規加入者分、MRMIPの財源を賄うために、2つの新財源を提案する。
- 医療サービスに州売上税を課税する。
- 医療保険プランを提供していない企業に、代替的なpayroll taxを課す。
医療保険プランを提供している企業は、州売上税分を負担することになるが、医療保険プランを提供していない企業は、その分を負担しないことになる。この不公平を是正するために、代替的なpayroll taxを課す。当然、この代替的なpayroll taxの負担水準の方が、州売上税分の負担水準よりも高くなるように設定する。
代替的なpayroll taxは、医療保険プランを義務付けるものではない。企業に医療保険プランの提供を促し、従業員の保険加入を推進するためのものである。企業にとっては、従業員の保険加入一般を促すための一つの選択肢であるため、ERISA違反とはならない。(※「Topics2006年7月20日(3) MD州"Wal-Mart法案"敗訴」参照)
代替的なpayroll taxを払えばいいということで、医療保険プランの提供を止めてしまう企業が出てくるのではないかとの懸念がある。しかし、次のような理由により、提供を止める企業はないと見ている。
- CalPrimeの対象者は、低所得者層に限られている。
- CalPrime加入が認められるまでには、待機期間が設けられる。
- 代替的なpayroll taxよりも、魅力的な保険商品が開発される。
- 既に医療保険プランを提供している企業は、それが適切であると判断している。
- 州民に保険加入義務を課すことにより、企業もそれを促進しようと考える。
州売上税、代替的なpayroll taxの推計は、下図(本文P.11)の通り。