Topics 2003年5月21日〜31日
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5月26日 大統領からの手紙
5月28日 無保険者と退職者
5月26日 大統領からの手紙 Source : A Letter from President George W. Bush
週末、Bush大統領から、E-mailが届いた。私は別に共和党員でもないし、Bush大統領と面識があるわけではない。おそらく、White House、The New Republican、全米商工会議所のメールマガジン登録アドレスに送付されているのではないかと思うが、大統領選なのに、ずいぶん木目の細かい作業をしている。しかも、共和党の場合、おそらく対立候補は立たず、民主党の候補が決まるまでは、Bush大統領がからむ選挙はないのである。
しかし、民主党は、異例の早さで、候補者選びのキャンペーンを開始した(Topics 5月6日「民主党候補者達のDebate」参照)。ここで民主党候補者選びが固まるまで高みの見物を決め込まないところが、カール・ローブの潔癖さかもしれない。
上記Sourceから、Bush大統領への寄付のwebsiteに行ってみると、何とシンプルなページだろうか。寄付者の属性を記入したら、あとは希望の金額を選択してクレジットカードで決済するだけ。
こんなにきめ細かなキャンペーンと、簡単な寄付のやり方が、政治を身近なものに感じさせているのだろう。
5月28日 無保険者と退職者 Source : Universal Health Care Gets Boost (Washington Post)
民主党の大統領選候補者選びが早くも熱くなっている。これまでも何度か紹介してきたが、医療の無保険者問題への取り組みについて、9人の候補者のうち、すでに4人が何らかの提案を行っており、その他の候補達も独自案を発表すべく急いでいるようだ。
Bush大統領と戦うためには、医療しかないという民主党の思い入れがよく表れている。アメリカ国民の最大の関心事項は、いまだに経済情勢、雇用情勢だが、その経済情勢、雇用情勢が早期に好転しない限り、ほぼすべてのアメリカ人は、医療保険の高騰、自己負担増、最悪の場合は無保険への転落という危機に晒されることになる。
皆保険制度に近い案を出せば出すほど、必要となる財源が大きくなる。ほとんどの候補者たちは、Bush大統領の大減税をカットして捻出しようとしている。他人の褌を借りるのか、という批判もあろうが、大減税が医療保険か、という選択肢は、選挙民にとってはわかりやすい。
ところで、上記Sourceによれば、民主党が打ち出そうとしている医療保険大改革案で、恩恵を被るのは、次のような人々だ。
- 無保険者
- 医療費高騰に苦しんでいる者
- 退職者
1、3の人々は、おそらく大多数が恩恵を被るだろうが、2はなかなか難しい。おそらく現役の中低所得者層だろう。彼らが増税と医療費軽減のどちらを選択するか、予測は難しいだろう。増税により消費が低迷し、企業収益が低下すれば、企業からの医療ベネフィットの提供は減少するかもしれないからだ。
ここら辺の綱引きをどう見るか。また、来年11月時点でもまだ医療がホットイシュー足り得るのか。大人気のBush大統領を相手にするだけに、大きな賭けとも言えるのではないだろうか。
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