Source : | Gallup's Top 10 U.S. Wellbeing Discoveries in 2011 (Gallup) |
Gallupが選んだアメリカ人の幸福度に関する2011年の10大ニュースである。1番、3番は、当websiteでも何度か紹介している事象である。今年を象徴する出来事であったと思う。
- 職探しが長くなると幸福度は低下した。
- 体重に関する問題は少しだけ改善した。
- 多くの若者が保険プランに加入できるようになった(医療保険改革法の効果)。
- 相変わらずコロラド州民が最も痩せている。逆はウェスト・ヴァージニア州民。
- 食料が購入できないほど貧しい人は減少した。
- 企業が提供する保険プランに加入しているアメリカ人は減少した。
- 自ら「苦しんでいる」と考えている人の数は不変。
- 家族等に介護を行っている国民が増えた。
- 病気により、総額$153Bの生産が失われた。
- 自ら離職した場合の方が(解雇された場合よりも)幸福度は低い。
※ 参考テーマ「人口/結婚/家庭/生活」
Source : | Bipartisan Agreement: Obama Isn’t Schmoozing (New York Times) |
当websiteとしては特にどう、ということではないのだが、政治家、特に大統領としての性格としてはどうなのだろうか。"プラグマティック"ということなのだろうが、リーダーには"情熱"や"正義感"が必要ではないかと思う。そのためには、自らの言葉で語りかけることが重要だろう。
上記sourceを読んでいて、どこかの国の某大臣とよく似ているな、との感想を持った。
※ 参考テーマ「政治/外交」
Source : | A Living Wage, Long Overdue (New York Times) |
NY市では、Living Wageによる実質的な最低賃金引き上げ法案が議論されているという。内容は、NY市が推進する開発プロジェクトについて受注した企業は、その賃金を、という水準で、最低10年間にわたって維持しなければならない、というものである。
- フルタイムでベネフィットが提供される場合は$10/h
- ベネフィットが提供されない場合は$11.50/h
連邦政府が定める最低賃金は$7.25/hであり、NY州のそれは、連邦政府の定めに従うこととしている。しかし、NY市では、こうした手法により、最低賃金の実質的な底上げを図ろうとしているのである。
Cuomo市長は、@新たな開発プロジェクトが滞る、A市財政の負担が急増する、といった理由から、反対している。
実は、当websiteでは、こうした手法("Living Wage")については、既にこれまでにも紹介してきている(「Topics2010年2月28日 政府調達による賃上げ策」、「Topics2002年5月22日 Living Wage Law」参照)。
しかし、今の雇用情勢、特に高止まりしている失業率の中で、こうした手法がどこまで有効なのか、疑問に感じざるを得ない。ちなみに、NY州の失業率は8.0%(11月)である。
※ 参考テーマ「最低賃金」
Source : | Political Struggle in Congress Delayed, Not Resolved (New York Times) |
年金保険料引き下げ2ヵ月延長法案の成立(「Topics2011年12月23日 年金保険料2ヵ月間引き下げ決定」参照)を受け、年明けから、両院協議会において、さらなる延長の審議が行われる。最大の課題は、延長のための財源をどうやって捻出するかである。上記sourceによれば、10ヵ月で$100Bを要するという。
この財源を巡っては、民主党は"millionares' tax"を主張し、共和党が反対している。
また、主要案件についても民主・共和両党の間で対立が鮮明になっている。そこで、民主党は、強硬に同党の主張を展開できる議員を指名している。民主党も、完全に対決姿勢で臨むための布陣を張っているのである。選挙イヤーに両院協議会で合意が得られるのかどうか、ますます厳しい見通しとなりつつある。
○ 年金保険料引き下げの10ヵ月延長 ⇒ 下院共和党は、そもそも効果があるのか疑問としているうえに、どうしても実施するなら、連邦職員の昇給を2013年9月まで凍結して捻出すべき、と主張している。 ⇒ Sen. Benjamin L. Cardin (D-MD) ⇒ 連邦職員の利益を守るべきとの立場をわきまえている。なにせ、275,000人以上の連邦職員がMD州に住んでいるのだから。 ○ 失業保険の最長給付期間(99週) ⇒ 下院共和党は、これを59週に短縮すべきとの主張をしている。 ⇒ Sen. Jack Reed (D-RI) ⇒ RI州の失業率は高水準になっている(11月:10.5%)。 ○ "Doc Fix"の延長 ⇒ 延長しなければ、Medicareの償還額は27%カットされる。 ⇒ Rep. Allyson Y. Schwartz (D-PA) ⇒ そもそもMedicare償還額の削減を規定する法律の廃止を求めている。
※ 参考テーマ「公的年金改革」、「Medicare」、「解雇事情/失業対策」
Source : | Texas Insurers Could Send Out $160 Million In Rebates Next Year - Maybe (Kaiser Health News) |
2012年の執行を間近に控え、償還割合規制(MLR)の特例措置を巡る議論が活発になっている。上記sourceでは、まだ決定が下されていないTX州について報じている。ポイントは次の通り。こうした状況を見ると、州政府の特例申請については厳しい見通しとなっている。 ちなみに、HHSのwebsiteに基づく、現在の申請認可状況は次の通り。
- MLR規制がきっちりと適用された場合、TX州で営業している保険会社は、2012年に総額$160M(推計)を保険加入者に返還しなければならなくなる。
- 州政府は『特例申請が認められなければ撤退する保険会社が相次ぐ』と主張しているが、TX州では30以上の保険会社が保険プランを提供している。特例申請が最初に認められたMaine州では、保険会社は3社しかない。
- 実際のプランの中では、保険料収入の53%しか償還に充てていないものも存在している。
- TX州選出の民主党連邦議員も、州政府の特例申請は却下すべきと主張している。
※ 参考テーマ「無保険者対策/連邦レベル」
州・地域 申請内容 HHS決定 2011年 2012年 2013年 2011年 2012年 2013年 Maine 65% 65% 65% 65% 65% 65% New Hampshire 70% 70% 70% 72% 75% 80% Nevada 72% - - 75% - - Kentucky 65% 70% 75% 75% 80% Florida 保険会社65%
HMO 70%保険会社65%
HMO 70%保険会社65%
HMO 70%80%(特例申請却下) Georgia 65% 70% 75% 80%(特例申請却下) North Dakota 65% 70% 75% 80%(特例申請却下) Iowa 60% 70% 75% 67% 75% 80% Louisiana 70% 75% - 80%(特例申請却下) Guam 65% 65% 65% (審査中) Kansas 70% 73% 76% (審査中) Delaware 65% 70% 75% 80%(特例申請却下) Indiana 65% 68.75% 72.5% 80%(特例申請却下) 2014年:76.25% 2015年:80% - Michigan 65% 70% 75% 80%(特例申請却下) Texas 71% 74% 77% (審査中) Oklahoma 65% 70% 75% (審査中) North Carolina 72% 74% 76% (審査中) Wisconsin 71% 74% 77% (審査中)
Source : | Congress agrees to payroll tax deal; Obama to sign (Los Angeles Times) |
すったもんだの末、結局、上院案通り、年金保険料引き下げ、失業保険特別給付、"Doc fix"の2ヵ月延長が決まった。これを書いている時点で、White Houseのカウント・ダウンは継続しているが、大統領はすぐにも署名して、クリスマス休暇に入る予定である。
年明け後、両院協議会で、1年間延長について議論することになる。
※ 参考テーマ「公的年金改革」、「Medicare」、「解雇事情/失業対策」
Source : | Extension of Tax Cut Stalls in House as G.O.P. Objects (New York Times) |
17日、上院は両党合意のもと、上記法案を可決した(「Topics2011年12月17日 年金保険料引き下げ2ヶ月延長へ」参照)。同法案は、既に下院で可決したもの(HR 3630)に、修正提案を追加したものである(「Topics2011年12月14日 年金保険料引き下げ法案:下院可決」参照)。投票結果は次の通り。一方の下院は、再審議という形で、19日に投票を行う予定であったが、それが一旦は延期された。それというのも、18日(日)になって、Boehner下院議長(R)が、『下院では否決することになりそうだ』と発言した。どうもこれは本気らしいということになり、下院共和党は、19日の投票予定を延期した(CNN News)。
賛成 反対 無投票 民主党 49 2 - 共和党 39 7 1 独 立 1 1 - 合 計 89 10 1
これに対して収まらないのが、上院民主党である。Reid院内総務(D)は、『両院協議会を開催する考えはない。上院の圧倒的多数による可決の重みを考えろ』と息巻いている(CNN News)。また、Schumer上院議員(D)も、『下院が否決するなら、年金保険料が元に戻ることにも責任を持て』と突き放している。
20日、こうした紆余曲折を経て行われた投票の結果は、次の通り。下院議長の警告通り、共和党の多数で否決された。下院共和党の主張は、『2ヵ月なんて不安定なことをしないで、しっかり1年延長すべき』というものである。これは、もともと下院が可決した法案の内容通りであり、自分達の主張を通した格好だが、もちろん、建前である。
賛成 反対 無投票 共和党 2 234 5 民主党 181 4 7 独 立 - - - 合 計 183 238 12
そして、形式的に、上院に対して両院協議会を開催するよう呼びかける決議を行った。上院民主党がこれに応じるはずもなく、下院も早々に解散し、年内の連邦議会の業務はこれで終了した(CNN News)。再協議のめどはまったく立っていないようだ。
年金保険料の引き下げ、失業保険特別給付、"Doc Fix"は、風前の灯となってしまったのである(White House)。
※ 参考テーマ「公的年金改革」、「Medicare」、「解雇事情/失業対策」