6月19日(1) 道遠い同性婚禁止 Source : Senate blocks same-sex marriage ban (CNN)

14日、上院で議論停止、採決に向けた動議が審議され、49vs48で、議論停止のために必要な60票に遠く及ばなかった。このため、憲法改正議論は一旦中断されることになる。

以前にもどこかに書いたことだが、憲法改正のためには、 の賛成が必要である。

Bush政権の不人気が続いていることも考慮すれば、同性婚を憲法で禁止するという共和党保守派の試みは、実現の可能性は遠のいたと見るべきだろう。

6月19日(2) 事業所閉鎖に伴う給付債務 Source : PBGC Issues Rule on Employer Liability When Closing a Facility (PBGC)

15日、PBGCが、事業所閉鎖に伴う給付債務の計算方法について公表した。PBGCによれば、これまで適用されてきたルールの開示、明確化であり、現状からの大きな変更ではないという。また、ルールの詳細は、上記sourceからのリンクまたはここに掲載されている。

上記sourceに掲載されているルールの概要は、次の通り。
  1. このルールは、事業所の閉鎖により、確定給付型プラン加入者の20%以上が解雇される場合に適用される。

  2. 事業所閉鎖に伴う給付債務は、次の計算式により算出する。
    未積立給付債務 × (解雇される加入者/加入者全体)
  3. 事業所閉鎖に伴う給付債務(に見合う資産)は、第3者に預託される。

  4. 当該確定給付型プランが5年以内に廃止された場合、預託された資産は、プラン全体の資産として扱われる。

  5. 当該確定給付型プランが5年以内に廃止されなかった場合には、預託された資産は事業主に返還される。
従業員の20%以上も解雇されるような大型事業所閉鎖なのであれば、5年以内に確定給付プランを廃止する可能性は極めて高い。未積立債務の閉鎖事業所分は先に確保しておこうというPBGCの考え方である。

6月16日 Mrs. Clintonの政治信条 Source : Wounds Salved, Clinton Returns to Health Care (New York Times)

上院議員Hillary Rodham Clinton (D-NY) が最初の改選期を迎える。同時に、2008年大統領選挙に向けた第一ステップになるかもしれない。

そのClinton上院議員が、医療問題、特に無保険者問題に再挑戦するとの宣言を行っている。しかし、そのアプローチは、1993-4年に失敗した皆保険制度の導入とは異なり、まずは無保険の子供をなくすことを第一目的に据えるようである。というのも、2007年にSCHIPの再評価・制度見直しが予定されており、政治情勢によっては、ここでSCHIPの役割拡大により、無保険の子供を減らすことができるかもしれないのである。

前回の失敗に学んで、非常に現実的で、Bush大統領の十八番であった"compassionate"な政策提言ではないかと思われる。というのも、Clinton上院議員は、Massachusetts州の皆保険制度成立(「Topics2006年4月13日 MA皆保険法案成立 」参照)を興味深く注視しているうえに、医療政策のアドバイザーとしてLaurie Rubinerという共和党系のアドバイザーを雇い入れている。彼女は、共和党上院議員のスタッフを勤めていたうえに、John H. Chafee前上院議員(故人)のもとで、前回のSCHIP改正に関わっていた。

つまり、Clinton上院議員は、共和党との連携の可能性を強く意識しているものと思われる。こうした冷静な政治感覚と、次のフレーズに見られるような熱い心情とをうまくバランスしていくことができれば、道は開けてくるかもしれない。
"It's one of my passions, it's what I care deeply about. It would not be possible for me not to talk about it and try to help change it."
"it"とは、当然、"health care system"のことである。